急に腕が痛くて上がらなくというのは大変なことです。
ぶつけたり捻ったりした記憶も無い・・・。
これは五十肩なんじゃないかと、慌てる方もおられます。
しかし!ご心配なく。
五十肩は急に腕が上がらなくなることはありません。
”日数をかけて徐々に”です。
こんな時にあやしい原因の一つが「胸鎖関節脱臼」です。
胸の真ん中にあると胸骨と鎖骨の頭文字を取って呼ばれるこの関節は、腕の動きにメチャメチャ関係があります。
ここを脱臼してしまうと腕が上がらなくなるんですね。
脱臼と言っても、ガポッと骨が外れるケースではなく関節の間に軟部組織が噛んでしまって、関節が亜脱臼している状態です。
画像を見てもらうとわかる通り、関節といっても胸骨と鎖骨は小さな面積で接しているだけです。
ここに軟部組織が噛んでしまう理由が、腕立て伏せや、後ろにあるものを身体は正面を向けたまま手だけ伸ばして取るような、胸の筋肉を広げる動作にあります。
胸の筋肉を広げる動作をした時に、胸骨と鎖骨の間が広がって軟部組織が噛んでしまうわけです。
見分け方は、亜脱臼していると肩鎖関節がポコッと腫れたり、胸鎖関節を押すと痛みがあります。
整復は簡単で、胸鎖関節を押さえながら腕をゆっくり動かしてあげると噛んだ軟部組織が外れて、すぐに肩が動くようになります。
急に腕が上がらなくなった時に、胸に原因の可能性もあるということも覚えておいてください。