足をひねって来院された患者さんですが、足の親指側の甲にかなりの腫れとピンポイントの激痛があることから、第一中足骨の骨折かリスフラン関節の捻挫を疑いました。
骨折と捻挫では固定方法が変わるので、応急処置後に整形外科を紹介して画像検査をしてきてもらうと、全くの予想外の結果でした。
第一楔状骨(けつじょうこつ)の単独骨折
非常に稀な骨折です。
患者さんのご厚意で、画像の提供と掲載の許可をいただきました。
キレイにパッキリいってます。
レントゲンでは判断が微妙なため、CTも撮ってもらったのは正解でした。
骨折線が見えるっちゃあ見えるけど・・・→
上から重量物を落としたり、車に轢かれたとかならわかりますが、ひねって楔状骨の骨折は想像すらしませんでした
固定概念は捨てないとダメですね。
幸いなことに、分離して骨が下に落ちていない状態だったということと、患者さんにプライベートな事情があったためギブス固定はせずに、骨折でもいけるテーピングを施し継続加療です。
体重をかけて通常歩行できるまでの治療計画として2カ月。
最初の3週は松葉杖を2本で、4~6週は1本にして患側に少しずつ体重をかけるように慣らして、7週以降から自力歩行を開始しました。
回復に合わせてテーピングの強度も減らし、鍼治療と運動療法を行い、関節のこわばりもなく予定通りに社会復帰が達成できました。
楔状骨が分離するとリスフラン関節の脱臼や、中足骨ごと下に落ちるので手術の適応になります。
整骨院で対応できるのは分離していないタイプのみですね。
これは画像検査抜きには判断できないと思います。