むち打ち(ムチ打ち)は交通事故でよく起こる首のけがで、実は「むち打ち」という名前のけがはありません。
首に負った打撲・捻挫・挫傷・骨折など、これらの総称を「むち打ち」と呼びます。
病院での診断書には外傷性頚部症候群や頚部捻挫と書かれます。
むち打ちは、鞭を振った時のように首をあおる動きで起こります。
頭は意外と重く、体重の約1/10の重さがあります。
体重が60kgの方だと約6kgあり、これはボーリングの球が体の上に乗っているようなものなのです。
首を強烈にあおられた衝撃で、本来前に向かって軽くカーブを描いている首の骨が真っすぐになってしまうストレートネックになってしまうケースもあり、後々それが後遺症の原因になります。
首から出ている筋肉は胸や肩や背中まで伸びており、逆に腰から首までつながる筋肉もあります。
そのため、むち打ちになるとそれらの筋肉にも影響が波及するため、腰痛・肩の痛み・背中の痛み・頭痛・耳鳴り・しびれ・だるさ・睡眠障害・吐き気など全身症状が出ることも少なくありません。
むち打ちになった時に、脳のくも膜が傷つき脳脊髄液が漏れだしてしまう脳脊髄液減少症になる場合もあります。全身の痛み・聴力・視力・味覚障害・倦怠感・自律神経のトラブルなどがあり、お天気と気圧の変化の影響を受けます。
むち打ちは4タイプに分かれます。
1.頸椎捻挫型:むち打ちの80%がこのタイプで軽症
2.バレ・リュー型:首の動脈の障害・首の交感神経の緊張・頭痛・めまい
3.神経根型:首の神経の圧迫・しびれ・腕の反射が弱くなる・筋力の低下
4.脊髄型:首の骨の脱臼骨折など、命に関わる場合もある重傷なむち打ち
むち打ちは負傷して時間が経ってから痛みが出てくるケースが多いため、数日は様子を見る必要があります。
むち打ちは表面からはわかりませんが、筋肉内で内出血をしています。
首の表層と深部の筋肉は深頚筋膜(しんけいきんまく)という筋膜で2つにさえぎられており、内出血も筋膜の向こうに広がらないようになっています。
むち打ちは軽度か重度のどちらかです。これは深頚筋膜の内側と外側のどちらで負傷したのかが関係しています。
深頚筋膜より外側でのむち打ちは比較的症状は軽く、治りも早いです。
一方、深頚筋膜より内側でむち打ちになった場合は、治るのに非常に時間がかかります。
これは、深頚筋膜があるため、内出血部分が散らずにそこで停滞するのが原因です。ここには交感神経幹という重要な神経があり、内出血部分が神経に触れると異常反応を示すのです。神経がショートしてしまうとイメージしてください。
神経に血液が触れたり、圧迫されるのがむち打ちが治りにくい理由です。
深部でのむち打ちは痛みの他に、耳鳴り、吐き気、首から手へのしびれ、握力の低下、だるさ、疲労感、頭痛、不眠症、集中力の低下など色々な症状を引き起こし、神経は人体で回復が一番遅いため、長期間の治療を必要とするケースも多いです。
また、首の筋肉は骨盤から伸びてきているため、むち打ちになった首への衝撃の際に骨盤周辺も負傷している可能性が高いです。このため、むち打ちの治療は首だけでなく腰やその延長上の治療も必要になります。
ポプラはりきゅう整骨院では、むち打ちには鍼灸治療と操体法を行います。
首は非常にデリケートな部分のため、むち打ちの治療は患者様の体調に合わせて少しずつ進めていきます。
むち打ちを患者様ご自身でされるケアとして止めてほしいのが、初期の患部のマッサージです。
前述したとおり、むち打ちは首の神経が異常反応を起こしているケースもあり、むち打ち部分の筋肉が固くなるので柔らかくしたい気持ちはわかりますが、刺激を加えると後で一層むち打ちの症状が強くなることが多々あります。
むち打ちの症状が強い時は、お風呂もシャワーのみにして短時間で汗を流す程度にしておくのがよいです。
長時間の熱刺激はむち打ちの症状を強くさせますので長風呂は控えてください。
むち打ちには肩甲骨の動きも影響があります。
肩甲骨は首・腕・腰からの筋肉が付く重要ポイントです。
肩甲骨は身体の動きに合わせて、肋骨の上を滑るように動きます。
首の筋肉が緊張すると、肩甲骨の動きに固さが生じるため、首から背中が動かしにくくなります。
肩甲骨のなめらかな動きを促す治療をすることにより早い改善が可能になります。
ポプラはりきゅう整骨院
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